帯同すべき?帯同してよかった?【仕事・キャリア編】~駐在妻でもキャリアをあきらめない~

■お役立ち情報

旦那さんの中国への駐在が決まった。ついていく?せっかく頑張ってきた仕事。キャリアはどうなる?妊娠したら?今回は、そんな「将来への不安」についてです。

「ついていくか、旦那さんと離れて日本で暮らすか」

キャリアや人生を大きく左右する決断なのに、考えるのに与えられた猶予はあまりにも短い。

駐在の帯同となると20代・30代の方も多いはず。私もその1人です。まだ若手だったり、ちょうど同期が昇級したりするタイミング。「帯同して3年も現場を離れたら自分だけ取り残されるんだろうな」「もうこのポジションには戻ってこられないだろうな」「帰国してすぐ妊娠したら5、6年戻らないかも、そしたら復帰しても大した仕事はできないだろうな」そんな気持ちばかり膨らんでしまう。

あれこれ考えるけど、堂々巡り。時間がどんどんなくなっていく。旦那さんも海外移住の準備や仕事の引継ぎでバタバタしていて、落ち着いて相談もできない。

そんな悩みを解決する「役立つヒント」をご紹介します。

頭のなかを整理して、落ち着くために

急につきつけられた「海外赴任」の話。気が動転して、何から考えればいいのかわからず、頭のなかは軽くパニック… そんな、私とおなじ経験をされている方もいるはず。

大事なのは「理想の将来像」を考えること。結局それだけが心を落ち着かせてくれます。

  • 旦那さんと一緒に暮らしたい?国内なら単身赴任でもいいの?
  • 子どもがもしできてもバリキャリでいたい?ゆるくでも働きつづけられればOK?
  • 今の仕事内容にこだわりは?副業はじめてFIREなんて話にも興味ある?

まずはこのあたりから「自分の答え」を探してみましょう。

【仕事編】仕事やめる?海外ではたらく?~駐在妻でもキャリアをあきらめない~

選択肢①:「休職」で仕事をキープ

育休をつかう

子どもをお考えのご夫婦であれば、この機会に子どもをつくって、育休を利用して中国についていくという方法があります。

この方法をつかっている方も多くいます!

配偶者の海外転勤による「休職」…思わぬデメリットも

会社によっては、配偶者の海外転勤を理由とした休職ができます。

休職:無給で、理由になった事態が解消するまで休める制度。
会社ごとに、休職理由に応じたMAX期間が決められている

一見良さそうな「休職」という選択肢。が、思いがけないデメリットもあります。

休職ってどうなの?

メリット

  • 仕事を失わない
  • 知識や人間関係がムダになりにくい
  • 妊娠したら産休に変更できる

デメリット

  • 社会保障費等の支払がキツイ
     =約5万/月
  • 副業禁止の場合、副業もできない
  • 休職期間をすぎると、やめるか復職しないといけない

初年度は住民税もかかってきますので、合わせると月額約8万円に。

ただ、年金は将来の受取額が変わってくるので、全くの損になるわけではありません。

そうはいっても、無給なのに給料がでている前提での社会保障費を支払っていくのはなかなか厳しいものがあります。私の場合、奨学金の支払も残っているのでますます厳しい。

また、休職期間最長1年の会社も多いです。そうなると結局仕事をやめるor復職(=単身帰国)することに。

選択肢②:就労ビザをとって働く

家族ビザではなく、自身も就労ビザ(Zビザ)をとって現地ではたらく、という選択肢もあります。

大きく分けて3パターンあります。

  1. 中国現地企業ではたらく
  2. 日本企業で、中国へ赴任させてくれる企業へ転職
  3. 日本語教師になる

中国企業へ転職

ご想像どおり、上級レベルの中国語が話せないと厳しいです。また、日本の転職サイトでみつけられる求人数もかなり少ないです。中国で転職活動した方が求人情報は多いですが、ビザ取得手続が面倒かも。このあたりは企業によると思います。

ただ、私が伺った日本の転職エージェント担当者さんがいうには「実際に転職できた例もあった」とのこと。ダメ元で転職エージェントに求人を探してもらうことをおすすめします。

なお、英語での勤務厳しいです。深センは香港に近いですが、英語で仕事ができる企業は多くありません。日本でカタコトの日本語しかできないドイツ人が働くようなもんです。…厳しいですよね。(泣)

香港での勤務も現状不可能。深センから約1時間で通えるといっても、今はコロナ影響で行き来に隔離が必要なため現実問題として通勤できません。

日本企業で、中国赴任させてくれる企業へ転職

日本企業であれば中国語がペラペラでなくても可能性はありますし、日本語で仕事ができます。

大問題なのが、配属先が「中国」「アジア」などかなりザックリなこと。さらに転職してすぐ海外配属されるとは限らず(一定のトレーニングを積んでから海外配属という可能性もあり)、最悪すれ違いなんてことも考えられます。

この選択肢は「旦那さんと一緒に暮らす」ための手段としてはほぼ意味をなさなそうです。が!運よくいい求人が見つかるかもしれません。万が一のため転職エージェントに求人をみてもらいましょう。

日本語教師としてはたらく

さて職歴を生かした転職が難しいとなれば気になるのが「日本語教師」。日本語を勉強する中国人も少なくないので、需要はあります。

しかしここで立ちはだかるのが「ビザ問題」。中国の就労ビザ要件は厳しく

  • 4大以上卒業
  • 日本語教師の資格
  • 類似職務経験2年以上

が必要です。ただし、職歴2年のみ欠けている場合、大学の講師ならばビザが下ります。就労ビザではなく専門職ビザでの申請になるためです。

今すぐ要件が満たせなくても、これから資格をとれば帰国しても「日本語を教える仕事」ができるようにはなるわけですから一考の価値はあります。年収2~300万円前後とそれほど稼げない職種ではあります(非正規も多い)が、ゆるく長く仕事が続けられればいいと考えれば1つの選択肢です。

選択肢③:今の仕事はやめて、新しい仕事(の準備)をはじめる

今の職種・仕事内容にこだわりがないなら特に、一旦仕事をやめるのも選択肢の1つ。帯同しながらでもできることを3つ、ご紹介します。

ちなみに、仕事をやめた場合も1年間は住民税の支払(月約3万円)がありますのでご注意を。

元々ちがう職種に興味があったならその勉強を、特にないならまずは今流行りの「在宅でできる仕事」「副業」から試してみるのもおすすめです。

「副業」をはじめる

ここ数年で大人気の「副業」。在宅でできるということは、海外でもオンラインで日本語の仕事ができるということ。今後旦那さんがどこに転勤しようがずっと働き続けられます。子供ができても子育てしながら稼げます。仕事上の人間関係に悩まされることも減ります。

「副業」の例
  • ブログ
  • 動画編集
  • せどり
  • ウェブデザイン
  • プログラミング

仕事をやめた分、時間もたくさんあります。その分集中して取り組めば、コンテンツをしっかりつくっていけます。また、中国にいるからこそできる動画投稿、ブログ内容、せどり方法もあります。

元々興味があったのならなおさら、取り組んでみる絶好のチャンスです。

資格取得などの勉強にあてる

興味のある職種があれば、そこに向けた勉強に当てましょう。

資格、勉強の例
  • プログラミング学校、ウェブデザイナー学校、動画編集
  • 宅建、行政書士、社労士
  • 中小企業診断士
  • ファイナンシャルプランナー(お金の勉強)

仕事をしながらの勉強は、思った以上にはかどらないもの。仕事を休んだりやめて勉強に集中するなんて、相当覚悟を決めていないとできません。「仕事を辞めざるを得なかった」のだとしても、ここで一気に勉強・資格取得をしてキャリアチェンジ・キャリアアップにつなげることもできます。

私も、仕事をやめて1年で行政書士の資格をとりました。

中国渡航日との兼ね合いで受験できませんでしたが、同じ時期に宅建も勉強していました。コロナが落ち着いて帰国できるタイミングで受験する予定です。

いまの時代、オンライン通学もできます。せっかくできた時間。逆に踏み台にしてやりましょう。

語学留学

せっかく中国に来たんですし、中国で語学留学するのも手です。

「中国語ができたって、仕事がみつかるわけじゃない」「意味ある?」

正直、その気持ちは痛いほどわかります。日本語ペラペラで優秀な中国人もたくさんいますしね。でも中国は、経済大国でお隣の国。中国とのビジネスだって多い。マイナー言語とちがって、使える場面も多いはずです。

中国では留学生への奨学金も用意されているので、お財布にもやさしい。

コロナが落ち着けばフィリピンへ1か月以内の英語短期留学をするなど、他の言語も集中して勉強する機会を作ることだってできます。

バイトはできない

バイトやパートも、就労ビザがないとできません

しかもバイト代はかなり安いです。バイトで時間を失うくらいなら、なにか身につけた方が将来のためです。

軽い日本語教師バイトをするぐらいなら、相手にも中国語を教えてもらって、語学交換として終わらせちゃいましょう。そちらの方が法律上も問題ないですし、ネイティブと会話できるチャンスが無料でつくれて自分にとってもラッキーです。

「帯同しない」という選択肢

「日本に残る、ついていかない」という選択肢も、当然アリだと思います。

あらためて帯同のメリット・デメリットを見ておきましょう。

「帯同しない」ことのメリット・デメリット

日本に残ると守れるもの

  • 今の職場の人間関係
  • 今の会社での今のポジションや年収をベースにしたキャリアアップ

日本に残ると望めなくなること

  • 数年、直接は会えない
  • 数年、子どもは望めない

いまどき「結婚したからには一緒に住むべき」なんて価値観もないですし、共働きでどちらかだけでも転勤族なら、国内でも数年に1度は別居婚になる可能性があるわけです。画面越しでなら、いつでも好きな時に会えます。幸い中国なら大した時差もありません。

今の職場の人間関係、築いてきたキャリアに満足していればしているほど、それを一度でも捨てると取り返しがつかない。ただ、「妊娠・出産したら時短しよう」「他の会社でも同じような仕事が淡々とできればいい」くらいに思うキャリアならもう少し考えてもいいかもしれません。

また、これを機に「理想の家族の在り方」を旦那さんと共有することも思っている以上に大事です。

  • 一緒に住みたいのか
  • 子どもはできなくてもいいのか
  • 旦那さんの方が仕事をやめたり転職して、中国行きそのものをやめる選択肢はあるのか

旦那さんも海外赴任を言い渡されてバタバタとしているでしょうが、「ちょっと話したいことがある」といって、まずは自分1人で考えて出した答えを洗いざらい話しましょう。

まとめ・帯同してよかったか?

今回は、仕事・キャリアの観点から「帯同するべきか」、帯同したとしても仕事・キャリアアップをあきらめない方法についてお話してきました。

いかがでしたか。

「旦那さんのせいで働けなくなった」って思う気持ちをもつ方も多いです。その気持ち、正直めちゃくちゃわかります。でも、今のキャリアを守りたければ帯同しなければいい、なんなら旦那さんに仕事をやめてもらえばいい。帯同するなら自分が納得して、自分で決断して「ついていく」と決めましょう。

最後に、少し私の話をさせてください。

私の場合、家が裕福ではなかったので「絶対自分で稼げるようになる」「将来は稼いでお母さんを楽させたい」とずっと考えて、頑張って勉強して学歴を積んで今の仕事に就いたわけで、就職当時は、人生をかけて手に入れた仕事を捨てて専業主婦になるなんて考えられませんでした。

それもあって、海外赴任の話をきいたときは、自分の中で物凄く葛藤がありました。「仕事しなくてもいいなんて最高じゃん」「駐在妻いいな」なんて言ってくる人も多かったですが、私にしたら全然うれしくなかったですし、喧嘩売ってんのかぐらいに思ったときもありました。笑

そんな私も、今は「帯同してよかった」と思えています。きっと、最後は自分が納得して決断できたからだと思います。

「ついていく」も「ついていかない」も自分次第。

今これを読んでいるあなたが、自分の納得できる決断ができるよう応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

>>>そもそも中国に行くのが怖い!【中国生活編】はこちら

>>>子どもがいるから悩む。行ってから妊娠したら?【出産子育て編】はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました